Mac-1
 さて、リンゴのマークといえばAppleである。そのリンゴがかじられた意匠は、囓る(BITE)とデータ容量の単位であるバイト(BYTE)を掛けたものだということだ。当初(というよりごく最近まで)このロゴは6色に彩られていた。Steve JobsがAppleに戻って、iMacやらPowerBook G3 '99を出すあたりで「ブランドロゴは色が重要なのではなくて、そのシェイプこそが重要なのだ」とかで、Appleのコンピュータ買うと付いてくるステッカーも6色から白一色になったのであった。ま、ナイキのまねであることはミエミエ(笑)。

 このサイトの構築はMacで行っている。使い慣れているから、というのも理由ではあるが、一番の理由はインターフェイスにある。
 Mac OSは1991年から使っていて、そのころはPhotoshopの日本語版さえ出ていなかったし、Illustratorは1.9.5というバージョンだった。QuarkXPressも2.0.3で、ドングルではなく、キーフロッピーを起動の度に入れて立ち上げていた。PowerPCなどあるわけもなく、System6.0.7でマルチファインダを使っていると、よくメモリが足りなくなった。HD160MB、メモリ32MBでもあれば立派なものだった。……などと昔話をしていても仕方ないが、その当時から、基本的なインターフェイスは変わっていないことはスゴイことだ。もちろん様々な改良は加わっていて、最新バージョンのMac OS 9.0.4はずいぶんと便利になっているが、基本が変わっていないので、操作方法の違いはわずかであると言ってしまっていいだろう。
 アイコンで示し、マウスでポイントしたりクリックしたりしてウインドウを開くというアイデアはMac以前にあった。今やXEROXの業績悪化のとばっちりで立場が危うい「パロアルト研究所」(PARC; Paro Alto Resrech Center)で作り出され、それを見たSteve Jobsが興奮した、と言う話は有名である。Jobsは、今でこそそこそこデキタの経営者だが、当時は自分の主張だけで突っ走きかん坊だったようだ。出自がフラワームーブメント(ヒッピー文化と言ってもいい)にあるので、デザインや「自由さ」へのこだわりも半端じゃなかった。「自転車の前かご」に乗るコンピュータを作るんだっ!と言って出来たのがMacintoshで、完結されたまとまりがあって、それはすばらしく革新的な(かつ、恐ろしいほど高価な)マシンだった。そのあとのゴタゴタでスカリーに追い出されてNeXT社を立ち上げ、またクールなマシンを世に送り出し、注目は集めるもののやっぱりだめだったのだ。そして、劇的なApple復帰。あとはご存じの通りである。

 インターフェイスの話に戻ろう。
 Windowsという中途半端なMacの真似が出て一世を風靡するほど、そのインターフェイスは優れている。アメリオ時代、「エレガント」であるそのインターフェイスが強調されたが、まさしく思想的な完成度によって、インターフェイスがエレガントに完成されている。デザイナーが好んでMacを使うのは、ソフトウェアとインターフェイスの連繋が優れ、マウスの動きに馴染みやすく、出力の安定性とPostScriptのハンドリングの良さといったようなことからだと思うが、それにも増して、表示される画面のクリエイティビティーを削がない押しつけのなさ(エレガントさ)にある、とはボクの思い違いだろうか。事務的な仕事を得意としないのは、ある意味いいかげんさを許してしまうそのインターフェイスにもあるだろうし、逆にWindowsの持つ「キカイ」的な操作性は事務作業に向いているとも言えよう。
 ボクは、稀にデザイナーの役目を務めることもあって、Macを愛好している。メール/Webでの常用はPowerBook2400、勤務先で作業しているのはPowerMac 8500/120にG4/400ボードを刺したもの、家に帰ればiMac rev.Aとtwentieth anniversary macintosh (Spartacus)、古いものではQuadra700、Macintosh IIfxが転がっている。今やプレミアのApple ADB Keyboard(いわゆるGSキーボード)やApple Standard Keyboards(初代非拡張キーボード)も持っている。
 そう、インターフェイスばかりでなくマシンデザインが優れているものMacintoshの特徴である。
(つづく)

27/0ctober/2000 (in1858 Theodore Roosevelt was born!)

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