ニュー・オーダーというマンチェスター(イギリス)のロックグループが、8年ぶりにアルバムをリリースした。
70年代終わりに、ジョイ・ディヴィジョンという伝説のグループがあった。80年、ボーカリストのイアン・カーティスの自殺によってこの名前は封印され、残ったメンバーがニュー・オーダーの名前のもとに1981年、活動を始めた。
歴史については国内盤のライナーノーツに詳しいが、Webでは残念ながら日本での詳しいサイトは見つからない。英語でよければサイトは多く、USのニューオーダーオフィシャルサイト
(LINK)からリンクをたどれば様々なサイトに出会える。ボクがオススメするのは、New Order Online
(LINK)。音源、映像を含めて多数のアーカイブがあり、歌詞も全てが揃っている。
過去、ニューオーダーはオリジナルフルアルバム6枚、ベスト盤等のコンピレーション3枚、多数のシングルを発表している。ギター、ベース、ドラムス、キーボードという4人編成だが、エレクトロニックを導入し、クラブ系の音を吸収しだしてからが本領の発揮しどころだった。1983年発表のBlue Mondayという曲が大ヒットとなり、その後も幾多の美麗なる曲を発表し続けた。曲作りはギター/ヴォーカルのバーナード・サムナーがメインだが、クレジットでは全員だ。情緒的なメロディーラインと、決してウマイとは言えない演奏も不思議と人気のもとだったりする。
フルアルバムでの傑作は「テクニーク」
(LINK HMV) (LINK CDNOW)(1989)と言われることが多いが、シングルのみで発表された曲に名作が多く、その意味では初期の12インチバージョンのシングルを集めた2枚組のコンピレーション「サブスタンス」
(LINK HMV) (LINK CDNOW)(1987)が最も優れているとボクは思う。1994年に出たベストアルバム
(LINK HMV) (LINK CDNOW)もオススメしておこう(米盤のみ収録曲が異なるのでご注意を)。
前のアルバム「リパブリック」
(LINK HMV) (LINK CDNOW)は1993年の5月に出された。「テクニーク」と「リパブリック」の間にメンバーがそれぞれ独立したプロジェクトを始動させていたし、「リパブリック」からは4曲がシングルカットされたが、その最後のシングル「Spooky」のジャケットには終了を暗示する記述があり、もうこれでニューオーダーも終わりだろうと噂されていた。その後に出たベストアルバムにも新曲はなく、新たな活動は絶望視されていた。ソロプロジェクトも続行され、それぞれで2作目以降のアルバムもリリースした。
1998年、ニューオーダーがまさかの復活をした。レディング・フェスティバルで演奏したのだ。新曲はなかったし一時的なものだろうと思われたのも不思議ではない。このときの模様はDVD「3 16」
(LINK HMV)(LINK Amazon)となって今年発売され、1981年の映像とともにファンの感涙に歓迎された。1999年末にはアレキサンドルパレスで演奏、2000年になってからは映画「The Beach」のサウンドトラックに新曲1曲(Brutal)を供出した。そのころからニューアルバムが噂され、年末あたりから期待が高まっていた。それでも信じていない人も多かった。ボクもその一人だ。
マジかい???
妻もニュー・オーダーが好きだ。掃除するときにはよく「サブスタンス」をかけていた。「The Perfect Kiss」「Bizarre Love Triangle」「True Faith」が特に好きなようだ。名曲だ。マニアはもっとマイナーな曲をベストとしてあげるが、ボクもこれらに「リパブリック」の1曲目「リグレット」を加えた4曲をベストとしたい(あまりにも普通だが……)。ニューアルバムの曲はどうだろうか。
2001年7月11日、待ちに待った待望のシングル「クリスタル」
(LINK HMV)(LINK Amazon)が日本のみで発売された。フォーマットは異なるがイギリスで8月13日、アメリカで8月14日の発売だったから、かなりの日本先行発売。日本盤は輸出が認められていない場合が多く、このCDSも「輸出禁止商品」だったので、海外ではプレミアがついて扱われた。「クリスタル」以外は「3 16」からの音源。CDプレーヤーに入れてプレイボタンを押すとき、わずか緊張した。
「なんだ、このギターポップは???」
(つづく)